プリペイド携帯とは、料金を先に払った分だけ使える携帯電話
プリペイド携帯とは、通話やデータ通信の料金をあらかじめ支払って使う携帯電話サービスです。通話はチャージした残高から料金が引かれ、データ通信は購入した容量や利用期間の範囲で使う方式などがあります。残高が不足した場合は、プリペイドカードなどで追加チャージします。
月額の基本料金がかからないサービスもあり、使った分だけを前もって払う仕組みです。
通常の携帯契約(後払い)との違い
通常の携帯契約では、毎月の基本料や利用料金を後から支払う方式が一般的です。プリペイド携帯は先に支払った分を使う仕組みのため、意図しない高額請求を抑えやすいのが特徴です。
・支払いのタイミング:通常の契約は後払い、プリペイド携帯は前払い
・毎月の請求:通常の契約は毎月あり、プリペイド携帯はチャージした分だけ
・使える期間:通常の契約は契約が継続する間、プリペイド携帯はチャージ残高と所定の有効期間に制限がある
プリペイド携帯とプリペイドSIMの違いは端末とSIMの販売形態
「プリペイド携帯」は前払い方式の携帯電話サービスを指し、「プリペイドSIM」は前払いで使うSIMカードやeSIMを指します。両者の違いは電話番号の有無ではありません。プリペイドSIMには、データ通信専用のほか、SMSや音声通話に対応する商品もあります。
電話をかけたり受けたりしたい場合は「音声通話対応」、SMSで認証コードを受け取りたい場合は「SMS受信対応」の商品かを確認してください。データ通信専用SIMには、携帯電話番号による音声通話ができないものもあります。
2026年に新規で契約できるプリペイド携帯はあるのか
大手携帯電話会社のうち、2026年10月時点で音声通話つきのプリペイド携帯を公式サイトで案内しているものとして、ソフトバンクの「シンプルスタイル」があります。
ほかにもプリペイドSIMや短期のレンタル携帯を扱う事業者はありますが、提供内容や本人確認の方法は会社ごとに違います。申し込む前に、各社の公式サイトで提供状況を確認してください。
ソフトバンクの「シンプルスタイル」は2026年10月時点も提供中
シンプルスタイルは、ソフトバンクのプリペイド携帯電話サービスです。基本使用料は無料で、スマホとケータイ(いわゆるガラケー)の両方が用意されています。
2026年2月20日からは新規契約などの事務手数料が改定され、店頭で4,950円、オンラインショップで3,850円(いずれも税込)になっています。
ドコモがプリペイドの新規受付をやめた理由
ドコモは、プリペイド携帯の新規申し込みの受付を2005年3月31日で終了しました。理由として、プリペイド携帯が匿名で使えることを悪用した振り込め詐欺などの不適正な利用が、社会問題になっていたことを挙げています。
契約数が2001年3月の約21万契約から、2005年1月には約8万契約に減っていたことも、あわせて示されています。こうした背景から、プリペイド携帯は契約時の本人確認が法律で厳しく求められるようになりました。
プリペイド携帯は「審査なし」ではない
プリペイド携帯について調べると、「審査なし」「審査がほぼない」という言葉をよく目にします。この表現は半分は正しく、半分は誤解です。
「本人確認」と「支払いの審査」を分けて考えると、プリペイド携帯で何ができて何ができないかが見えてきます。
法律で決まっている本人確認は必ずある
携帯電話不正利用防止法(正式名称は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」)により、携帯電話会社は音声通話サービスの契約時に契約者の本人確認を行う義務があります。
この法律は2006年4月に全面施行されました。匿名で契約されたプリペイド式などの携帯電話が、振り込め詐欺などに使われていたことが制定の背景です。本人確認に応じない場合、事業者はサービスの提供を断ることができます。
そのため、プリペイド携帯でも所定の本人確認を受ける必要があります。シンプルスタイルの場合、申込方法によって書類の提出方法や申込可能年齢が異なります。主な条件は次のとおりです。
・本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、日本国パスポートなど。店頭での申込時は所定の原本を提示し、オンラインショップでは指定された方法で提出する
・住所が違う場合:書類の住所と申込住所が異なるときは、原則として発行から3か月以内の住民票記載事項証明書や公共料金領収書など、指定の補助書類が必要
・年齢:店頭では12歳未満は申し込めず、未成年者には親権者の同意が必要。オンラインショップの申込は18歳以上が対象
・回線数:個人は同じ名義で2回線まで(法人は10回線まで)
前払いでも契約時の審査は行われる
「プリペイド携帯は審査なし」と説明されることがありますが、ソフトバンクはシンプルスタイルのオンラインショップ購入手順に「審査」を明記しています。したがって、シンプルスタイルを審査なしで契約できるとはいえません。
プリペイド携帯は料金を前払いするため、後払い方式と比べて未払いが発生しにくい仕組みです。ただし、料金の支払方法が違うことと、契約時の確認・審査を省略できることは別の話です。
審査の詳しい基準は公表されていません。携帯料金の未払いなどがある方も、「前払いなら必ず契約できる」とは考えず、各社の申込条件と本人確認方法を確認してください。
プリペイド携帯の料金はいくらかかるのか
プリペイド携帯は「基本料0円」と案内されることが多い一方で、通話料やデータ料は別にかかります。ここではシンプルスタイルの公式の料金をもとに、具体的な金額を見ていきます。
シンプルスタイルの料金(2026年10月時点)
| 項目 | 料金(税込) |
| 基本使用料 | 無料 |
| 通話料(全国一律) | 9.43円/6秒 |
| スマホ向けデータ 200MBプラン | 990円(2日間) |
| スマホ向けデータ 700MBプラン | 2,970円(7日間) |
| スマホ向けデータ 3GBプラン | 5,478円(30日間・自動継続) |
| ケータイ向けデータ 100MBプラン | 330円(30日間) |
| 事務手数料(新規契約など) | 店頭4,950円/オンラインショップ3,850円 |
スマホでウェブやS!メール(MMS)、SMSの送信を使うには、データ定額の申し込みが必要です。3GBプランは残高から料金を引き落として自動継続する方式で、チャージ残高が不足すると継続されません。解約する場合は手続きが必要です。
1か月使った場合の利用料金と初期支出の違い
たとえば、スマホで3GBプランを申し込み、30日間のうちに10分間の国内通話を1回行った場合のサービス利用料金を試算します。
・データ(3GB・30日):5,478円
・通話(10分=600秒):9.43円×100回分で943円
・サービス利用料金の合計:6,421円(税込)
通話料を1分あたりに直すと約94円です。この6,421円はデータ定額料と通話料の合計であり、初回に支払う総額ではありません。新規契約の事務手数料や端末代金などは別途かかります。また、カードでチャージする場合は3,000円・5,000円といった販売単位で購入するため、利用料金と実際のチャージ額は一致しないことがあります。
プリペイド携帯は「必要な期間だけ使う」には向いていますが、毎日の連絡に長く使う場合は、費用がかさみやすい点に注意が必要です。
プリペイド携帯を選ぶ前に知っておきたい注意点
料金のほかにも、プリペイド携帯には通常の契約にはない決まりがあります。特に電話番号の有効期限は、知らないと困りやすい点です。
有効期限が切れると電話番号を失う場合がある
シンプルスタイルでは、プリペイドカード(3,000円・5,000円)を1枚登録すると、登録の翌日から60日間が「利用有効期間」になり、残高があれば通常の発信と着信ができます。カードを重ねて登録すれば、最大360日まで延ばせます。なお、対象機種のチャージ付きプランでは、購入時に付与される利用有効期間が異なることがあります。
利用有効期間が終わると、その翌日から360日間は「電話番号有効期間」になります。この期間は着信とSMSの受信はできますが、発信は110番や119番など一部の番号に限られます。残っていた残高は無効になり、返金もされません。
電話番号有効期間のうちに新しいカードを登録しないと、契約は自動的に解約され、電話番号も使えなくなります。仕事や手続きで使っている番号を失わないよう、期限をカレンダーなどに書いておくと安心です。
使えない機能がある
シンプルスタイルのスマホでは、テザリング(スマホを親機にしてパソコンなどをネットにつなぐ機能)や、紛失したスマホを探すサービス、迷惑電話ブロックなどは使えません。月額料金がかかるサービスは、原則として使えないと案内されています。
また、他社の携帯電話へのSMS送信はできず(受信はできます)、海外での利用や国際ローミングもできません。
LINEやSMS認証は使えるのか
SMSの受信に対応しているため、SMSで届く認証コードを受け取ることはできます。ただし、SMS認証だけでアプリへの登録・ログインが完結するとは限りません。スマホでモバイルデータ通信を使う場合は、データ定額の申し込みが必要です。
また、LINEなど各アプリが電話番号の登録をどう扱うかは、アプリ側の条件によって変わります。使いたいアプリがある場合は、事前にそのアプリの案内を確認してください。
名義貸しや無断譲渡には法的な問題がある
自分の名義では契約が難しい場合でも、契約者を偽って申し込んだり、利用者を隠す目的で他人の名義を借りたりすることは避けてください。携帯電話の譲渡には、本人確認や携帯電話会社の承諾などの手続きが必要になる場合があります。
携帯電話不正利用防止法第7条では、契約者が携帯電話を他人に譲渡する際、親族や生計を同じくする人への譲渡などを除き、事前に携帯電話会社の承諾を得ることが求められています。また、第21条では、自分が契約者ではない携帯電話を他人へ譲渡する行為や、その事情を知って譲り受ける行為などを罰則の対象としています。家族間を含め、名義変更や利用者の変更が必要な場合は、事前に契約先へ確認してください。
プリペイド携帯が向いている人・向いていない人
ここまでの内容を、向いている人と向いていない人に分けて整理します。
向いている人は次のような方です。
・数日から数週間だけ電話番号が必要な方
・電話はほとんど受けるだけで、こちらからかけることは少ない方
・使いすぎを防ぐため、使う金額を先に決めておきたい方
向いていない人は次のような方です。
・仕事や手続きで、毎日のように電話をかける方
・スマホでネットを毎月たくさん使う方
・期限の管理が苦手で、電話番号を長く変えずに使いたい方
携帯料金の未払いや借入の返済が重なって契約できずに困っている場合は、連絡手段とは別に、お金の問題そのものを相談することも大切です。返済の見通しが立たないときは、弁護士や司法書士などの専門家に早めに相談すると、選べる方法が残る場合があります。
携帯契約に困ったら即モバ
プリペイド携帯は、短い期間をしのぐには便利な方法です。一方で、期限が来るたびにチャージが必要で、気づかないうちに電話番号を失うこともあります。仕事の連絡も手続きの電話も、番号が変わらずに続けて使えることが前提になります。
即モバは、他社で携帯電話を契約できなかった方も申し込める、ドコモ回線のSIMサービスです。本人確認は、セブン銀行の+Connect(プラスコネクト)または、佐川急便の受取人確認サポートを利用する方法があります。申込時に電話番号がない方も、案内ページに記載の専用番号を使ってATMでの手続きを進められます。


