入院中のスマホで困らないために。病室の使用ルールと通信量・料金の準備

携帯契約 / 支払い 12min

入院中のスマホは病室で使用可能とする考え方が基本

電波環境協議会が2014年8月19日に公表した「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」(以下、指針)では、患者の利便性や生活の質の向上のため、医療機関でも患者や面会者などによる携帯電話端末の使用を可能な限り認めることが望ましいとされています。2022年度の病院調査でも、回答した病院の99.0%が施設内の全部または一部で携帯電話・スマートフォンを使用可能としていました。ただし、これは「すべての病室で自由に使える」という意味ではありません。

指針は全国一律の規制ではなく、各医療機関が施設の状況や医療機器の配置などを踏まえてルールを定める際の参考資料です。実際に従うべきなのは、入院先の案内や院内掲示、医療スタッフからの指示です。まずは一般的な考え方を押さえたうえで、入院先のルールを確認しましょう。

病室・診察室・手術室でルールが違う理由

指針では、場所によって置かれている医療機器も必要性も違うため、エリアごとにルールを設定する必要があるとしています。エリア別の考え方は次のとおりです。

・病室:通常使われている医療機器は限られるため、スマホを使用可能とできる

・待合室、ロビー、食堂、廊下、エレベーターホール:マナーに配慮すれば通話を含めて使用可能とできる

・診察室:電源を切る必要はないが、診察の妨げにならないよう使用は控える配慮が望ましい

・手術室、集中治療室(ICU)、検査室、治療室:使用は原則禁止で、電源を切るか電波を出さないモードにする

手術室や集中治療室などで制限が厳しいのは、生命維持管理装置など、万一電波の影響が生じた場合のリスクが大きい医療機器が使用されているためです。携帯電話端末は待ち受け状態でも電波を発することがあるため、こうしたエリアでは電源を切るか、電波を発射しないモードにすることが示されています。また、検査や治療の種類によって個別の指示があるため、医療スタッフの案内に従ってください。

通話と、メール・Web閲覧は分けて考える

同じ病室でも、通話とメッセージのやりとりでは扱いが違います。指針では、多人数の病室での通話は同室の方の静養を妨げる可能性があるため、制限を設けるなどの配慮が望ましいとされています。一方で、音が外に出ないメールやWeb閲覧は、静養を妨げる可能性が低いと考えられるとしています。そのうえで、必要に応じて夜間の使用を禁止するなどの制限を設けることとされています。

この考え方から、病室ではメールやWeb閲覧など音が外に出ない利用を認めつつ、通話は指定エリアに限るといったルールを設ける病院があります。病室で連絡する場合は、周囲の静養を妨げない方法を選び、入院先のルールに従いましょう。

音や光による迷惑を避けるため、次の点にも配慮しましょう。

・着信音と操作音は消し、バイブレーションも机の上では振動音が響くので注意する

・動画や音楽はイヤホンを使い、音漏れしにくいものを選ぶ

・夜間は画面を暗くする。カーテン越しでも明かりは意外と目立つ

医療機器から1m程度離すという目安

指針では、影響が懸念される医療機器からは1m程度離すことを目安にできるとしています。輸液ポンプや人工呼吸器、体外式ペースメーカなどが、特に注意が必要な機器として挙げられています。あわせて、医療機器の上にスマホを置くことは禁止すべきだとされています。

この距離は、自分が医療機器を使用していない場合にも関係します。同室の方が医療機器を使用している場合も、その機器から病院が設定した離隔距離以上離す必要があります。ベッドまわりは医療機器が近くに置かれることもあるため、スマホの置き場所や充電場所には注意してください。なお、各医療機関が試験結果や医療機器の取扱説明書などをもとに安全性を確認している場合は、1m程度より短い距離を設定できるとされています。実際の目安は入院先の案内に従いましょう。

ルールは病院ごとに違うので入院前に確認しておく

病院内のルールは、同じ地域の病院でも「病室での通話は可」「通話は指定エリアのみ」「就寝時間帯は使用禁止」と取り決めに差があります。入院前に確認しておけば、当日に慌てずにすみます。

入院のしおりと院内の掲示のどこを見るか

指針では、利用者に対して入院時などに口頭や配布物で説明するとともに、院内の目につきやすい場所に使用ルールを掲示することが求められています。掲示では、通話とメール・Web閲覧などのルールを区別してわかりやすく示すこととされています。入院のしおりや院内掲示を確認し、不明点があれば医療スタッフに確認しましょう。

確認しておきたいのは次の3点です。

・使ってよい場所はどこか(病室、デイルーム、携帯電話コーナーなど)

・使ってよい時間帯はあるか(就寝時間帯の扱い)

・通話ができる場所はどこか(病室では不可という病院もあります)

書かれていない、または読んでもわからないときは、入院の説明のときに看護師に聞いておくのがいちばん早い方法です。

写真・録音は原則控え、ビデオ通話もルールを確認する

指針では、個人情報の保護や医療情報の漏えい防止の観点から、医療機関での録音やカメラ機能の使用は原則として控えることが適切とされています。病室や廊下では、ほかの患者や職員、名札、検査予定表などが意図せず写り込む可能性があります。

ビデオ通話についても、カメラと通話を使うため、利用できる場所や時間を事前に確認してください。背景に同室の方や医療情報が映り込まないようにするなどの配慮が必要です。医師の説明を録音・撮影したい場合も、自己判断で行わず、事前に医師や医療スタッフへ確認しましょう。

持ち込み自体に条件がある病棟もある

病棟や診療科によっては、スマホの持ち込みや使用方法について独自の条件を設けている場合があります。これは、治療上の必要性やほかの患者のプライバシー保護、病棟内の安全管理などを踏まえて定められるものです。一般的な指針だけで判断せず、入院先の案内を確認してください。

持ち込みや使用に制限がある場合は、家族との連絡方法など代替手段を病院に相談しておくと安心です。病院ごとに対応は異なるため、入院前または入院時に確認しておきましょう。

入院中のスマホで困りやすいのはWi-Fi・通信量・充電

ルールを確認できても、実際に使い始めると通信量や充電など別の問題が出てきます。入院中に動画視聴やビデオ通話などを利用する予定がある場合は、通信環境と電源の使い方を事前に確認しておきましょう。

病院にWi-Fiがないときの選択肢

患者向けWi-Fiを提供している病院もあれば、患者が利用できるWi-Fiを用意していない病院もあります。2022年度の病院調査では、無線LANを導入している病院のうち41.7%が、患者・外部訪問者のインターネット接続にも利用していました。利用できるエリアや料金、接続方法は病院によって異なるため、入院前に「患者向けWi-Fiはあるか」「利用条件はあるか」を確認しておくと準備しやすくなります。

患者向けWi-Fiがない場合は、スマホのモバイルデータ通信を利用することになります。動画視聴やビデオ通話は通信量が増えやすいため、長期入院が見込まれる場合は、現在の料金プランやデータ容量で足りるかを事前に確認しておきましょう。

持ち込んだモバイルルーターが断られることがある理由

モバイルルーターなどの持ち込みが制限されることには理由があります。2014年の指針では、利用者が持ち込んだ無線LAN機器によって、病院で使用している無線LANに混信などの障害が発生するおそれがあるとされ、無線LANを導入している医療機関では、持ち込み機器の使用制限や来訪者用LANの利用推奨などの対策が必要とされています。

医療機関では、電子カルテなどの医療情報システムや一部の医療機器にも無線LANが使われています。持ち込み機器の制限は、院内の通信環境を安定して運用するための対策の一つです。レンタルのモバイルルーターなどを申し込む前に、入院先へ持ち込みの可否を確認してください。

通信量を減らす設定と、充電のときの注意

通信量は、設定を見直すことで抑えられます。たとえば次の方法があります。

・SNSや動画アプリの自動再生をオフにする

・動画の画質を下げる。音声だけでよい場合は、サービスに音声のみの再生機能があれば利用する

・アプリの自動更新をWi-Fi接続時のみに変更する

・オフライン再生に対応している動画や電子書籍は、入院前にWi-Fi環境でダウンロードしておく

充電についても病院ごとの取り決めがあります。ベッドサイドのコンセントの使用可否や、延長コード・タコ足配線・モバイルバッテリーの持ち込み可否は、入院のしおりなどで確認してください。コード類は転倒や点滴ルートへの引っかかりにつながることもあるため、通路やベッド周辺の安全を妨げないようにしましょう。また、充電中を含め、スマホを医療機器の上に置かないでください。

入院中も携帯料金の支払いは続く

入院しても、スマホの月額料金は毎月かかります。医療費の支払いが増える一方で、仕事を休めば収入は減ります。入院中に支払いが止まってしまうと、退院後の生活にまで影響が残ることがあるため、早めに手を打っておきたいところです。

支払いが遅れると回線が止まる場合がある

料金の未払いが続くと、利用停止や契約解除になる場合があります。利用停止や契約解除までの時期・手順は携帯電話会社や契約内容によって異なります。一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)は、1999年4月から、契約解除後も料金の不払いがある利用者の情報を携帯電話等の移動系通信事業者間で交換しています。この情報は、新たな契約申込時の加入審査に利用されます。

情報交換の対象期間は契約解除後5年以内で、期間経過後は自動的に抹消されます。また、料金を完済した場合は対象外になります。重要なのは、単に支払いが数か月遅れただけで直ちにTCAの不払者情報として交換されるわけではなく、「契約解除後も料金不払いが残っていること」が対象条件だという点です。支払いが難しくなりそうな場合は、利用停止や契約解除に至る前に契約先へ相談しましょう。

収入が減ったときに確認しておきたい制度

医療費と生活費の両方が心配なときは、利用できる公的制度も確認しておきましょう。代表例として、高額療養費制度と傷病手当金があります。

高額療養費制度は、1か月の保険診療にかかる自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超過分の払い戻しを受けられる制度です。差額ベッド代や入院時の食事代など、対象外となる費用もあります。高額な医療費が見込まれる場合は、オンライン資格確認に対応した医療機関でマイナ保険証を利用する方法や、必要に応じて限度額適用認定証を提示する方法により、窓口負担を自己負担限度額までに抑えられます。低所得者区分などでは別途申請が必要な場合があるため、加入している公的医療保険に確認してください。

傷病手当金は、会社員など健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガの療養のため仕事に就けない場合に受けられる給付です。連続する3日間の待期を含み4日以上仕事を休んだことなどが条件で、支給期間は支給開始日から通算して1年6か月です。休業中に給与が一部支給される場合でも、傷病手当金の額より少なければ差額が支給されることがあります。

制度の対象条件や手続きは、加入している公的医療保険や勤務状況などによって異なります。入院先に医療ソーシャルワーカーや相談窓口があれば、医療費や生活費について相談できます。借り入れの返済なども重なって負担が大きい場合は、必要に応じて弁護士・司法書士や法テラスなどへの相談も検討してください。

早めに携帯電話会社へ支払いの相談をする

支払期日に間に合わない可能性があるとわかったら、できるだけ早く契約先へ連絡しましょう。支払期限の延長や分割などに対応できるかは、携帯電話会社や契約状況によって異なります。自己判断で支払いを放置せず、契約先の案内を確認することが大切です。

入院中で本人が手続きしにくい場合に、家族などが代理で手続きできるかどうかも会社ごとに異なります。契約先の窓口に、代理手続きの可否や必要書類を確認してもらいましょう。あわせて、請求日、支払い方法、引き落とし口座の残高、払込票の期限なども入院前に確認しておくと安心です。

入院中と退院後の連絡手段を確保しておく

入院中は、家族や勤務先との連絡、各種手続きなどで電話やメッセージを使う場面があります。退院後も、通院の予約や勤務先との調整、公的給付の手続きなどで連絡先が必要になることがあります。スマホ回線が利用できない状態になると不便が大きいため、料金の支払いや連絡手段を早めに確認しておきましょう。

料金の不払いなどで回線が利用停止になっている、または契約解除後に新しい回線を確保できずにいる場合は、利用できる通信サービスを確認しておくと退院後の連絡手段を整えやすくなります。

即モバは独自の審査を設けており、他社で料金を滞納している方でも利用できます。申し込みはWebで行い、初期費用の支払い後、セブン銀行ATMで本人確認を進めます。ATMでの本人確認にはマイナンバーカードまたは運転免許証を利用でき、書類画像のアップロードは不要です。申し込み時に電話番号を持っていない場合は、案内ページに記載された専用番号を使って本人確認を進められます。eSIM対応端末であれば、申し込みから最短即日で利用可能です。

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